高校地理にはヤシが3種類登場します。基本的にはココヤシとアブラヤシが熱帯作物、ナツメヤシがオアシス作物と覚えてしまえば済む話ですが、それだけでは面白くないので、もう少しだけ詳しく勉強していきましょう。 ココヤシ ココヤシは西アジア~オセアニアのどこかが原産と考えられるヤシの一種です。遺伝調査では、東南アジア~メラネシアが有力な原産地となっています。種に関わらず、ヤシと言えば最初に思い出されるのが […]
高校地理におけるプランテーション作物・嗜好作物の代表例ともいえるコーヒー。「とりあえずブラジルやコロンビアが有名なんでしょ?」という認識だけでは駄目です。ベトナムやドイツについても押さえておく必要があります。 コーヒーの栽培条件 『地理用語集』によると、生育期には高温多雨、結実期には乾燥を好むそうで、また排水が良好で昼夜の気温差が大きい高原が適地だそうです。よって、雨季・乾季のある気候(サバナ気 […]
貧しい後進的な地域の農業と誤解されがちな焼畑ですが、その実情は持続可能で合理的な農業です。本記事では、ホイットルセーの1936年の論文をもとに、伝統的な焼畑の姿を学習します。焼畑の作物や、焼畑が次にどのような農業に移行するかも説明します。また焼畑のことをハック耕と呼ぶ理由も解説します。 焼畑の名称について 高校地理において「焼畑」もしくは「焼畑農業」は、ホイットルセーの農業地域区分の一つとして学 […]
地理に登場する繊維の一つにジュートがあります。ジュートは麻の一種で、インドのコルカタがジュート工業で知られています。私大の入試などでは、サイザル麻やマニラ麻が登場することもあります。これら様々な麻について、その違いを分かりやすく説明します。 麻とは何か 麻は植物から摂れる繊維です。その種類は多様で、20種近くあるようです。種類によって特徴も異なるため、本記事では地理で登場する可能性のある種類の麻 […]
最近はノマド・ライフという生き方もあります。私も憧れている一人です。このノマドとはもともとは遊牧民のことです。ノマド・ワーカーが働く場所を固定されずに自由に場所を選んでいるように、移動を続ける牧畜業のことを遊牧と言います。本記事では、遊牧の紹介、そして遊牧・放牧・移牧という似た用語の意味の違いを解説します。 遊牧とは 遊牧は、ホイットルセーの農業地域区分のひとつで、英語ではNomadic Her […]
高校地理で農業と言えばホイットルセーの農業地域区分です。ホイットルセーは世界を13の農業に区分しました。高校地理の教科書では、修正が加えられて13種類でなかったり、別の区分が加わっていたりします。本記事では、ホイットルセー論文の英語原文をもとに、13種類の農業地域区分の解説を試みています。 地理学におけるホイットルセー 高校地理におけるホイットルセーの位置づけは、農業地域区分を作った学者さんで […]
工芸作物の代表例である綿花は、私たちが毎日身に付けている衣類の原料であるにもかかわらず、その実物を見る機会はほとんど有りません。というのも、現在の日本ではほとんど栽培がされていないからです。しかし江戸時代の日本では大阪や愛知を中心に綿花栽培は盛んでした。本記事では、統計も使いながら、綿花栽培に関する事柄を学習します。 綿花の呼び方について 綿花(めんか)とは、文字通り「綿の花」のことです。よ […]
「食糧は武器である」。これは、レーガン政権の農務長官ジョン・ブロックの言葉です。アメリカで作られた穀物は世界中に輸出され、私たち人類の胃袋に収まっていきます。アメリカにとって経済的にも国際政治的にも重要な穀物は、実際には少数の巨大企業によって寡占が進んでいます。本記事では、世界の食糧事情に大きな影響力を持つ穀物メジャーについて解説します。 穀物メジャーとはどのような会社か 穀物メジャーとはど […]
漁業・水産業は地理の大切なテーマの一つです。今回は、漁業そのものではなく、そこで登場する魚介類に注目してみます。 アンチョビ(カタクチイワシ) おそらく受験地理で最も出題頻度が高い魚介類がアンチョビではないでしょうか。この魚はカタクチイワシとも呼ばれているように、イワシの一種です。「カタクチ」の意味は、「硬い口」と誤解している人もいるでしょうが、「肩までのびる口」というのが正解です。 […]
リャマとアルパカはアンデス山脈に生息する、日本人にとっては珍しい動物です。生息地が限られていることと、外見が特徴的であることから、試験問題で出題されやすい動物となっています。リャマとアルパカの間には、外見、利用法などで違いがあります。しかし、高校地理に関して言えば、両者を区別して覚える必要性は低いでしょう。セットで覚えれば十分です。 リャマとは リャマはラクダ科の動物です。顔を見ると確かにラクダに […]