間帯土壌の代表例ともいえるレグール土。ついつい試験対策で「レグール土! 綿花!デカン高原! 黒!」と呪文のような暗記になってしまうのですが、それでは「何故?」に答えることができませんので、本記事ではそういった「何故?」に答えていきます。
レグール土は間帯土壌
レグール土は、気候の影響よりも、母岩となる岩石の影響を強く受けた土壌です。このような土壌を間帯土壌といいます。
では、その母岩となる岩石は何でしょうか。それは主に玄武岩です。レグール土の分布するインドのデカン高原は、高校地理では玄武岩でできた溶岩台地という地形で知られています。玄武岩は一般的に海洋底を作る岩石で、プレートの広がる境界である海嶺で作られるものです。しかし世界には、海洋底ほどではないですが、一部の陸地にも玄武岩が見られます。大陸上にまとまった玄武岩が見られる場合、その理由の一つとして考えられているのが、大陸分裂の際に噴き出た玄武岩です。このような玄武岩は「洪水玄武岩」と呼ばれ、溶岩台地を作ります。
レグール土は、玄武岩が風化してできた間帯土壌
レグール土の色は黒色
土壌を学ぶ際には、その色を知ることが重要です。結論から先に言ってしまうと、レグール土の色は黒色です。少し灰色に近いので、黒灰色とも表現されますが、高校地理における土壌の色は黒系・赤系・白系・茶系・黄系と大雑把にとらえれば十分です。ですので、レグール土は黒色でよいでしょう。
黒色の土と言えば、高校地理ではチェルノーゼムなどの黒土(黒色土)の方が取り上げられる頻度は高いわけですが、チェルノーゼムとレグール土では黒色となる原因が異なります。チェルノーゼムなど黒土の黒色は、植物の遺体が微生物に分解されてできた腐植(有機化合物)です。一方、レグール土の黒色は、母岩となる玄武岩に有色鉱物が含まれていることが原因です。つまり、風化した岩石の色なのですね。このような土壌は熱帯黒色土とも呼ばれます。ブラジル高原のテラローシャも似たような土壌ですが、テラローシャはラトソルと同じように鉄やアルミニウムが集まる作用が働いて、赤系の色になっています。
また、レグール土の分布するインドのデカン高原では綿花栽培が盛んなため、レグール土のことを黒色綿花土(黒綿土)と呼ぶこともあります。
レグール土は、母岩に含まれる有色鉱物の影響で黒色
レグール土と綿花栽培
レグール土には、カルシウムやマグネシウムなど植物の成長に有用な栄養素が多く含まれており肥沃な土壌といえます。インドでは、この土を綿花(生産量世界1位2016年)や落花生(生産量世界2位2016年)の栽培に利用しています。ですので、前述したように、レグール土は黒色綿花土(黒綿土)とも呼ばれます。
レグール土は、肥沃で綿花栽培に利用される