【羊】メリノ種・コリデール種・ロムニー種の特徴・違い【羊の飼育地】

【羊】メリノ種・コリデール種・ロムニー種の特徴・違い【羊の飼育地】

羊は、毛、肉、皮、乳が利用されます。群れる傾向があるので扱いやすい家畜ですが、荷役や農耕用としては役に立ちません。牛肉や豚肉に比べると味にクセがあり、日本では好みの分かれる食材ですが、宗教的にタブーとされないために世界的には広く食されています。高校地理では、牛との比較で分布場所が問われることがあります。

羊の種類

高校地理で登場する主な羊の品種を紹介します。しかし、これらを見分けるような出題はされないでしょう。
 メリノ種スペイン原産。現在はオーストラリアを中心に、世界各地で飼育される。高品質の羊毛がとれる。乾燥地に強い。毛用。
 コリデール種:ニュージーランド原産。メリノ種と他種を交雑して作り出された。ニュージーランドに多い。様々な気象環境に適応できる。毛肉兼用。
 ロムニー種:イギリス原産。ニュージーランドに多い。肉用種と紹介されることもあるが、毛はカーペットに適しており、日本のカーペット用羊毛の70~80%がこの種のものである。
 サフォーク種:肉用。頭と四肢は黒い。日本産のラム肉に多い。

羊と人間生活

ユダヤ教では、「子羊の肉を、その母羊の乳で煮てはいけない」という決め事があるようです。しかし、ヒンドゥー教の牛肉やイスラム教の豚に対するタブーに比べれば、それほど厳しいルールではありません。ですので、羊肉を食べてはけない地域というのは特に見当たりません。
ヒンドゥー教徒とイスラム教徒が両方存在するインドのような場所では、カレーの肉といえば羊・山羊・魚が主となります。
日本では、牛肉や豚肉に比べるとマイナーな食材で、精肉店でも少ししか扱っていないか、まったく扱いがないこともあります。北海道では、ジンギスカン料理が郷土料理のようになっており、地元民や観光客が羊肉を食します。
羊毛(ウール)は濡れても保温力が落ちないという利点があるため、船乗りや、少々の雨では傘をささない地域では冬の衣類として好まれます。

羊の飼育地

高校地理では、羊がどこで飼育されるかという出題がなされます。特に、牛との比較で出題されることがあります。 牛に比べて、羊の方が乾燥に強いというのが特徴です。

牛に比べて羊は乾燥に強い

ニュージーランド ⇒ 北島が酪農地帯(牛)、南島の東側が牧羊地帯

   (ニュージーランドは「国民一人当たりの羊飼育頭数が世界一」という言われ方をしますが、現在は1位ではないようです。また、総頭数では世界の上位10位にも入りませんので注意が必要ですね)

オーストラリア ⇒ 大陸の北寄りが牛(肉牛)、南寄りが羊、東岸が酪農地帯

アルゼンチン ⇒ 湿潤パンパが牛(肉牛)、乾燥パンパが羊

羊に関する統計

羊の頭数(2016年、千頭、『世界国勢図会』より)
1位 中国     162,063
2位 オーストラリア 67,543
3位 インド     63,016
4位 イラン     42,502
5位 ナイジェリア  42,091

羊肉の生産(2016年、千t、『世界国勢図会』より)
1位 中国      2,350
2位 オーストラリア  679
3位 ニュージーランド 481
4位 トルコ      354
5位 イラン      311

羊毛の生産(2013年、千t、『世界国勢図会』より)
1位 中国       282.7
2位 オーストラリア  216.3
3位 ニュージーランド   99.0
4位 イギリス     40.8
5位 イラン        36.9

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