アルミニウムの原料となるボーキサイトは熱帯地方で多くが採掘されます。なぜボーキサイトは熱帯に多いのか。なぜアルミニウム工業は熱帯で発達していないのか。本記事では、そのあたりを学習します。
ボーキサイトとは何か
ボーキサイトは酸化アルミニウムを含む鉱石です。
熱帯に分布する成帯土壌であるラトソルが乾燥して固結したものをラテライトと呼びます。ラテライトのうち、酸化アルミニウムを多く含む鉱石をボーキサイトと呼びます。
ボーキサイトを水酸化ナトリウムで処理することでアルミナ(酸化アルミニウム)を作ります。次に電力を用いて精錬することでアルミニウムが作られます。
ラトソル ⇒ ラテライト ⇒ ボーキサイト ⇒ アルミナ ⇒(電力)⇒ アルミニウム
☆ボーキサイトは熱帯に多い。
高校地理では、ボーキサイトがアルミニウムの原料であること、その過程で電力を必要とすることを学習します。
ボーキサイトはアルミニウムの原料
アルミニウムは、金属としては軽量で耐食性もあるため、アルミ缶や自動車部品、一円硬貨、家電製品など様々な用途に使われています。特に、航空機の材料としてアルミニウム合金が使われています。
アルミニウムの精製には電力を必要とするため、アルミニウム工業は発電費用の低い国で発達します。例えば、氷河地形の国(ノルウェー、アイスランド、カナダなどで水力発電)、資源国(中国、ロシア、UAE、サウジなどで火力発電)。
アルミニウムの原料となるボーキサイトはラトソルから生まれるために、その分布は主に熱帯地方(オーストラリア、ブラジル、マレーシア、インドなど)となります。
ボーキサイト ← 熱帯に多い
↓
電力 ← 発電費用の安い国
↓
アルミニウム ← 工業国で需要
世界の主なボーキサイト鉱山
ウェイパ(オーストラリア)←世界最大のボーキサイト鉱山(世界の10%)
ゴブ(オーストラリア)
ボーキサイトに関する統計
ボーキサイトの産出(2015)
1位 オーストラリア 27.1%
2位 中国 21.7%
3位 ブラジル 12.4%
4位 マレーシア 11.7%
5位 インド 9.1%
(データブックオブザワールドより)
参考サイト