造船業は、日本の地位の高い産業です。タイトルどおり、日中韓で9割のシェアを占めています。センター試験の図表の読み取りでは、日本をまず見るでしょうから、造船業が出題されればラッキー問題と言えるのではないでしょうか。
造船業の立地
造船は乾ドックで行われますので、臨海指向型工業といえます。造船業で知られる主な都市は港町としても有名です。
用語 乾ドック(かんどっく) : 造船や船の修理の際、船の周りを排水して作業をするための施設。
日本の造船業
「鎖国」状態にあった江戸時代の日本では、大型の船の建造は原則として禁止されていました。日本では、ペリーの黒船が来航した1853年以降に近代型の造船業が始まりました。
明治時代、日本はイギリスから造船技術を学びました。四方を海に囲まれた日本にとって、造船業は基幹産業の一つとなりました。
20世紀後半を通して日本は世界最大の造船国でした。21世紀になって韓国と中国の造船業が発達したことで、現在は中国、韓国に次ぐ世界第3位の造船国となっています。
用語 基幹産業 : その国の経済全体に大きな影響を与える重要な産業。「キー・インダストリー」とも呼ばれる。
造船業の主な都市
中国:大連(ターリエン)
韓国:蔚山(ウルサン)
日本:長崎市、佐世保市(長崎)、西海市(長崎)、今治市(愛媛)、呉市(広島)
造船業に関する統計
造船竣工量(100総トン以上の鋼船)(千総トン)2017年 世界国勢図会より
順位 | 国 | 竣工量 |
1位 | 中国 | 23,834 |
2位 | 韓国 | 22,427 |
3位 | 日本 | 13,074 |
4位 | フィリピン | 1,981 |
5位 | ルーマニア | 615 |
関連リンク
一般社団法人 日本造船工業会 https://www.sajn.or.jp/