- 2021.10.06
エスキモーとイヌイットの違いを解説~区別する必要はあるのか
「エスキモーは差別語だからイヌイットと呼ぶ」。このように学校で習う人も多いことでしょう。しかし実態はもう少し複雑なようです。本記事では、地域によって異なる極北先住民の呼称について学習します。 アメリカの先住民 エスキモーもイヌイットも、アメリカ先住民の一部です。アメリカ大陸に最初の人類がやってきたのは約3万年〜1.5万年前とされています。当時は最終氷期の最寒期で、ベーリング海峡が陸地化し、人類は […]
「エスキモーは差別語だからイヌイットと呼ぶ」。このように学校で習う人も多いことでしょう。しかし実態はもう少し複雑なようです。本記事では、地域によって異なる極北先住民の呼称について学習します。 アメリカの先住民 エスキモーもイヌイットも、アメリカ先住民の一部です。アメリカ大陸に最初の人類がやってきたのは約3万年〜1.5万年前とされています。当時は最終氷期の最寒期で、ベーリング海峡が陸地化し、人類は […]
高校地理の集落分野で、日本の村落の発達を勉強するときに最初に登場するのが条里集落または条里制集落です。生徒たちは、碁盤目状の土地区画といった話はすぐに覚えるのですが、条里集落が形態分類的にどうなっているのかは分かっていない者が多いと感じます。路村なのか塊村なのか、はたまた散村なのか。その辺りを解説します。 条里集落の成立 条里集落の成立は、大化の改新(645年〜)の班田収授法からとされています。 […]
地理学習サイトを運営しているせいか、全国の受験生から「おススメの地理参考書を教えてください」という要望が届きます。もちろん直接地理を教えている生徒からも聞かれます。書店に行けば何種類も似たような参考書・問題集が並んでいますので、どれを選べばいいか悩んでしまうのも仕方のないことです。本記事では、私が生徒たちに勧めている参考書・問題集を紹介します。 『大学入学共通テスト 地理Bの点数が面白いほどとれる […]
集約的稲作農業やアジア式稲作農業と呼ばれる農業区分は、日本もそれに含まれるだけあって身近なものです。しかしながら、名前からは農業の内容が判断しづらいのではないでしょうか。本記事では、ホイットルセーがこの農業区分をどのように説明しているのか概説し、現在のアジアの様子とのギャップも見ていきます。 集約的稲作農業・アジア式稲作農業のネーミング この農業区分には、定着した呼称がありません。現行の地理B教 […]
明治期に北海道の警備と開拓をするために作られたのが屯田兵村(とんでんへいそん)で、全部で37か所が作られました。高校地理では集落地理の単元で登場する有名な用語です。受験生の多くが、「屯田兵村はアメリカのタウンシップ制の影響を受けた散村」と学習するのですが、本記事では屯田兵村が散村とは言い切れないという話をしていきます。 屯田兵とは~時代的背景~ 江戸時代を通して蝦夷地と呼ばれた北海道が正式に日本 […]
高校地理で集落の単元が始まると、最初の頃に登場するのが集村と散村です。どちらも初学者にとっては初めて聞く用語でしょう。高校地理・受験地理では、集落は地形図との組み合わせで出題されることもあり、その形態的特徴をおさえておく必要があります。本記事では、集落地理の最初に学ぶであろう集村と散村の違いについて学んでいきます。 マイツェンの研究 高校地理の集落地理の分野、とくに村落地理の分野では、村落の平面 […]
古生代というと地球の歴史の中でも「古い」部類に入りそうな気がしますが、実際はそんなことありません。むしろ比較的新しい時代ともいえます。本記事では、地球の46億年の歴史の中での古生代の位置づけ。そして古期造山帯や石炭など、地理の授業における古生代の扱いについて学びます。また、少し突っ込んで、カレドニア造山運動やバリスカン造山運動についても触れていきます。 地質時代の中の古生代 地球は約46億年前に […]
高校地理にはヤシが3種類登場します。基本的にはココヤシとアブラヤシが熱帯作物、ナツメヤシがオアシス作物と覚えてしまえば済む話ですが、それだけでは面白くないので、もう少しだけ詳しく勉強していきましょう。 ココヤシ ココヤシは西アジア~オセアニアのどこかが原産と考えられるヤシの一種です。遺伝調査では、東南アジア~メラネシアが有力な原産地となっています。種に関わらず、ヤシと言えば最初に思い出されるのが […]
高校地理におけるプランテーション作物・嗜好作物の代表例ともいえるコーヒー。「とりあえずブラジルやコロンビアが有名なんでしょ?」という認識だけでは駄目です。ベトナムやドイツについても押さえておく必要があります。 コーヒーの栽培条件 『地理用語集』によると、生育期には高温多雨、結実期には乾燥を好むそうで、また排水が良好で昼夜の気温差が大きい高原が適地だそうです。よって、雨季・乾季のある気候(サバナ気 […]
バノーニ計画は、イタリアの南北格差を解消しようとする地域開発(1955年~)のことで、バノーニ財務大臣(当時)の名前に由来します。本記事では、イタリアで南北格差が発生した理由からバノーニ計画の内容までを簡単に解説します。 バノーニ計画に至るまでの背景 バノーニ計画を理解するためには、イタリア経済で伝統的に言われ続けてきた南北格差を知っておく必要があります。ざっくりと分類してしまうと次のようになり […]